相続放棄をしたら生命保険金は受け取れなくなるのか

投稿日: 2022-05-06

被相続人が借金等の負債をのこしたケース

今回は、相続放棄がされたケースの生命保険金の取扱いについてご説明します。

相続手続きを進めようとしたところ、多額の借金が判明したとします。

相続財産の中から借金の返済が難しければ、相続放棄の手続きを検討します。

一方で、どうしても手放したくない財産があれば、相続放棄は選択できません。

相続放棄しても生命保険金を受け取れるのか

被相続人が生前に生命保険をかけていたケースについて考えてみます。
相続放棄をしたら保険金を受け取れないのではないか、という疑問が生じます。
確かに、相続放棄をしたら被相続人が残した財産(相続財産)を受け取ることはできません。

それでは、生命保険金(死亡保険金)についてはどうなるのでしょうか。
(仮に、保険金が「相続財産」扱いになれば、受け取りは難しいでしょう。)

結論として、相続放棄をした方が保険金の受取人になっていれば、
相続放棄に関係なく受け取りが可能と考えられます。
なぜなら、保険金は受取人である相続放棄をした方の固有財産となり、
本来の相続財産としては取り扱われないからです。

実務上も、保険契約の中で受取人が指定されているケースがほとんどです。

一方で、受取人の指定がなくても、「法定相続人」を「受取人」とする旨が約款等に定められているケースもあります。
このようなケースでも、相続放棄をしても受け取りは可能であると考えられます。

そのため、実務上問題になるケースはそれほど多くないものと考えます。

生命保険金を受け取れないケース

生命保険の受取人が契約者本人(被相続人)に指定されているケースでは、受け取りはできません
また、亡くなった方が受け取ることになっている入院給付金も、相続放棄をすると受け取れません
これらのケースの生命保険金は、被相続人が受け取るべきものです。
そのため、本来の相続財産として取り扱われ、相続放棄をすれば受け取れなくなります。

その他注意点

  • 相続を承認すれば、借金(債務)も引き継ぐ

相続放棄をしなければ、保険金の受け取りに制約はありませんが、
単純承認により借金の返済義務からも免れることができなくなるので、注意しましょう。

  • 税務上の取り扱いに注意

生命保険金は、税務上、相続財産として取り扱われる点に注意しましょう。
また、相続放棄をした方については、相続税の非課税枠の適用もありません
相続放棄をしつつ保険金を受け取る際は、税務面の検討も重要となります。


相続放棄をご検討の場合には、保険契約の存在・取り扱いにも注意しましょう。